どんな楽しみ方?
今年で第10回目となる「老神温泉びっくりひな飾り」。その第1回目から担当してきたわけだが、私自身男であり、子供3人が男子であったので、ひな人形には全く無縁であった。当初は当然戸惑った。人形の種類名称はもちろん、配置順や持ち物について何の知識もなかった。しかし、毎年少しづつこのイベントにかかわったことで、だいぶ詳しく理解するようになった。ここではひな飾りの鑑賞ポイント、楽しみ方の提案を行いたい。なお、「老神温泉びっくりひな飾り」の実施経緯については、当方の別記事にて解説しているので、ぜひご参照されたい。
顔・着物・持ち物・道具
人形メーカーによりまた製作年代によりその顔や衣装がだいぶ異なっている。当ひな飾り会場にあるものとしては、年代的には明治時代の「裃(かみしも)ひな」に始まり、昭和初期の「御殿飾り」、昭和30年代からの「7段飾り」そしてここ数年来の流行は「3段飾り」もしくは「親王飾り」が多くなっている。顔は丸顔でほっぺがぷっくりしているものから、小顔で顎がシュッとした8頭身(10頭身くらいかも)が主流となっている。着物も赤色主体から近年ではパステルカラーの淡い色調のものが多いようである。人形が手に持つものはほとんど変化がない。
木目込み人形というタイプが異なる人形も比較するととても楽しい。こちらのものはどれも顔が丸顔で、ちょっとコミカルでかわいらしい顔のものが多いようである。
セットとしての統一感
セット、特に「7段飾り」としてみたときにその全体の統一感も楽しんでみたい。殿と姫の着物には同一の色柄のものが使われており、ものによってはそれ以下の「3人官女」「五人囃子」「左大臣・右大臣」「仕丁(しちょう)」まですべての着物が統一感のあるものも多くある。
「五人囃子」は左から徐々に音が大きいものから小さいものへとなっている。向かって左の三人は腕の動きが大きい太鼓や鼓うちなので、袖から腕を抜いた着こなしである。道理にかなっていて納得である。
お膳に乗せられているお椀類の数々。大きさがそれぞれ異なり、蓋がこれもそれぞれ大きさが異なり、落とし蓋のものと大きく上からかぶせるものまである。配置はほぼ理解できるのだか、蓋の大小についてはいろいろ調べているのだが、理由は不明である。どなたかご教示いただけると幸いである。
「ぼんぼり」は周り灯篭タイプのものも多い。電球の熱源の上昇気流を使って回転させているので、LEDではだめ、白熱電球でなければならない。一つ一つはたいしたワット数ではないが、会場全体で100個以上あるため、電気料金が心配である。
歴史背景
古くは「裃ひな」。胴体内部には「もみ殻」が詰めてあり、頭髪は人毛である。人毛は後でも伸びるというが、本当に少し長さが変わっているものがある。「御殿飾り」はかなり裕福な家庭でないと持てなかったという。積み木を積み上げるように組み立てるのが一苦労である。白髪の男女に鶴や亀、松竹梅の生えているいかにも縁起の良さそうな「高砂」。ひな人形としては別かもしれないが、ほかにも「潮汲み」「藤娘」なども数点ある。ただしこれらは現在はお引き受けをお断りしている。
自分の人形を飾る楽しみ
ご提供いただいた元持ち主の方の多くが、「私の人形はどこに?」と見学に来られる。主催者にとってこんな喜びはない。いただいた初年は必ずどこに飾られているのかご案内ができるよう担当者が把握している。ご家庭でのお役目を終え、第2の人生ではないが、また飾られてたくさんの人に見ていただける、人形もきっと喜んでいると思う。
それぞれが大変高価なものあったから、おそらく顔を近づけてみることしかしなかったと思うが、後ろ姿、背中のほうまでよく見ると、細かに作られているのがよくわかる。「三人官女」はどれも髪の毛を長く後ろへ垂らし、後ろからの立ち姿もとても優美である。姫の十二単はものすごく厚くて、折り重なった多くのカラーの布地はまるで虹のようである。
大量の展示を見て比較する
色の持つ効果 「赤」
1 アドレナリンの分泌
2 心拍数を上げる
3 自律神経を刺激し、緊張状態にする
4 食欲増進
5 人を元気づけ、より活発にさせる
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